Freestyle
 
 
 
 
 

平成23年2月25日

山田孝治

1.速度モードの試算

2000mを6分10秒(370秒)で漕ぎ切るための前提条件は以下の通り。

①平均艇速:5.4m/sec

②総ストローク数:平均ピッチ35ストローク/分(スパートを想定しなと)とすると、2000mでは216ストロークとなる。

③1ストローク・タイム:1.714sec

④1ストローク漕艇距離:9.27m








1回のストロークの動作を、stroke(ブレードの入水からフィニッシュまで)、finish(オールのドロプダウンからフォワード動作が始まるまで)、forward(フォワードの開始からブレードの入水直前まで)の3つに分ける。

平均速度Va=5.5m/sに対する基礎速度Vmはその70%(30%ダウン)と仮定し、stroke, finish, forwardの時間の割り振りを下表のように仮定する(いずれも実測値に基づいて設定するのが正しい)。Case 1は短時間で加速する場合、Case2は少しゆっくりと加速する場合に相当する。








表―1 Vpの逆算結果

  













2.漕力の試算

全重量の設定(仮定、ただし実測可能)

体重:漕手8人+舵手1人=80kg×8人+50kg×1人=690kg

船重:船体+オール8本=20kg×8人=160kg

全重量=体重+船重=690kg+160kg=850kg


Case 1の試算

力積=運動量の変化の公式から、Case 1は次の式が成立つ。

F×0.5 s=850kg/9.8m/s2×(6.50 m/s―3.78m/s)

従って、 F=471.83kg(8人の合力値)が計算される。

漕手1人が受持つ力fは、この8分の1の47.2kgとなる。


0.5 sのstrokeの間に、艇速度をVm3.78m/s からVp6.50 m/sに上げることは、5.44m/s2の加速能力を求められることになる。


Case 2の試算

Case 2は次の式が成立つ。

F×1.0 s=850kg/9.8m/s2×(6.68 m/s―3.78m/s)

F=251.5kg(8人の合力)

f=31.4kg


1.0sのstrokeの間に、艇速度をVm3.78m/s からVp6.68 m/sに上げることは、2.90m/s2の加速能力を求められることになる


表―2 漕艇力の試算













力F(すなわちf)は船体に対する水の粘性抵抗と造波抵抗に打ち勝って、またオールの動きと完全に一致させることを前提に、上記の加速度を出すことであるが、計算過程ではこのことを考慮していない。全体で30%のロスがあると仮定して、fの30%アップを修正fとした。



3.試算結果から導かれること

(1)ストロークの力が小さいクルーは、少し長い時間水に対して力を与える技術が必要(Case2)。ストローク時間が短いクルーは、爆発的な力を水に与えることが必要(Case 1)。

(2)2000mを漕ぎ切ることは、6分程度、220回のストロークを繰り返すので、有酸素状態における運動能力の強化が不可欠。

(3)すなわち、スパートの繰り返し、あるいはスパートに頼れるのは、1000m程度の距離のレースのみである。

(4)予選から決勝まで勝ち上がるためには、3レースあるいは4レースをこなす必要があるので、有酸素運動能力を高め、疲労回復速度を高めることも不可欠である。

(5)以上の観点から、ヒンズースクワット(体重70から80kg)をストロークパターン(1.714秒間隔)に合わせて、220回連続して行い、少し間をおいて繰り返す練習(数回から10回程度)も有効と考えられる。

(6)漕手の条件は以下の通り。

  ①筋肉量が多く体脂肪量が小さいこと(無駄な重要を減らす)

  ②心肺機能が強いこと(有酸素運動の幅が大きい、疲労回復が早い)

  ③8人の動きの同調性が高いこと

以上


 

2012年1月21日土曜日

解析、ストロークの力学的考察。

 
 
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