Best Rowing 1

 



諸先輩からの話をまとめたら、市大の漕法が見えて来るのでは、その一環として!:
漕艇の基本、水を掴む、足で漕ぐ、手は綱として、全員呼吸まで合わせる、オールを水に入れた所を杭にする、手応えを感じて漕ぐ、・・・色々有ります。 しかし、それ等を漕手は自分の体で具現化するのに試行錯誤しながらが結論を見出すまでに、いや見いだせないまま試合に臨むことになる現役も多いかと思う。   走るボート、流れる水上で、オールを杭の様にするという事、身体の各部がどうなればそんな事ができるのか?! 
確かに、ボートはオールを水にいれる時が最も艇速が落ちている、この瞬間に、漕手は全員、ストレッチャーの前まで一番接近しその体勢に入っている。 
その態勢の理想を一概に言えるだろうか?
体格、手足筋肉の強弱、腰の曲がり膝、足首、手首、漕手全員のそれは同じではない、っで、どこをどうすれば、理想の形は一体どうすれば、又、いつどの時点で、何をもって合わせるのか、又、水を掴むのはどの瞬間か、どんな体勢でか!
それを、皆さんとで検証→実証しようと思う。 まず理想の形、体勢とは:
市大の漕法は従来から、ジックリとストレッチャーに体重をかけ、足で、大きく漕ぐと云うものである。 ローピッチ漕法であったが、体力の無い学生に取って、鍛えた体力に応じ全員が艇速に寄与出来得る漕法と思える。 昭和30~40年代のクルーには其れが出来て、なにがしかの成績を上げ得ていたかと思う。 艇は手で持ち上げられるほど軽い、オールを梃子(てこ)に自分の身体を自分で持ち上げるつもりで、そう、トビ魚になったつもりで、引き蹴り上げれば、船が走る、そうすると艇の縁側の水は「サラサラット」小川を流れるせせらぎのような音がする。 其れが聞こえれば、理想に近づいている証拠である。 オールは引くつもりで入れず、差し込むつもりでいれても、自然と反発バネで引いてくれる!其れと共に、艇を持ち上げるように引くと、艇が浮く! それが走っている証拠!反発バネはどこから! 力が弱ければ工夫する。 その一つがストレッチャーに足裏を着けて腰からキャッチ体制にはいれば反撥するバネができる、その反発寸前にオールを水に入れればキャッチが確実になる。

下の絵は、普段、余り目が行かない所、足首についての考証を試みたものです。
=(以下は41年卒の先輩の意見)=
キャッチで踵が大きく浮いて、フィニッシュで踵の浮が少なくなっている点に注目されます。この動作から次のことが懸念されますね。

(1)つま先部分で板を蹴るので早い始動ができるが、足裏の接地面積が少ないのでキャッチの力が弱い(初動段階では太ももの上の筋肉が主に使われるので、一気に強い力で引けていないのではないか)。ストロークの力が掛かるに従って足の裏の接地面積を増やすことになる(自然と踵が下がる)。この結果、身体の動きが2段モーションになる可能性がある。
(2)このことが、艇の上下動につながるのではないか。
(3)漕手の動きの癖が微妙にも異なると、動きの調和が乱れ易くなるのではないか。

以上のことが艇速に0.1%(千分の1)影響するとしても、1000mで1mの差になる。1%(百分の一)だと10m、1艇身の差となる。

円滑な動作で、漕手の動きを調和させる努力が重要ではないでしょうか。(頭の動き上下せず一致していることが目安になるのではないでしょうか。次回、視察される時にご注目ください。)  

整調ペアとして、どう有るべきかをここにメモします。
足首が堅い人、柔らかい人全く同じであり得ません。 
整調の腰がストレッチャーに一番近い位置になった時(即ちキャッチした時)、7番も又キャッチしているでしょうが、その時の腰の位置は何処でしょうか?

ストロークサイド、バウサイド夫々の漕手は自分の前のオールを目処にキャッチのタイミング合わせをします。
しかし、当然ですが、整調は自分でコックスの指示に基づき動きを決め、7番はそれを忠実に会わせる必要が有ります。その為に、合わせる目安を、オールでなく、どこかに定める必要が有ります。自分のオールを意識しながら、目の隅で常に、目標の其れ(整調の肩、腕、腰、尻と見える所のどこか)を確かめキャッチを合わせる事が大切です。

そこで、私の勧めるポイントは『腰』です。 整調の『腰』が前に移動し止まった時がキャッチのとき!
整調は其のタイミングを7番に伝える必要が有り、7番が確実に整調の其のタイミングを掴む、その為に整調が常にそうなる様に、即ち、”腰が一番前に行きストレッチャーに体重が腰から乗った時にブレードを水に押し込む”様に漕ぐ事が必要です。
整調ペアの『腰』が揃って一番前になった時、水を掴むため、手はオールグリップを押し上げている筈です、其のとき艇は一番遅くなりブレードが水中に差し込まれています。
整調ペアは常にこのタイミングを再生出来る様に意識して訓練すべきです。 これが出来れば、6番以下は整調ペアのオールの動きに自分のタイミングを合わせ思いっきり漕ぐ事に専念すればまとまる筈です。

さて、このタイミングで、腕を曲げるでもなく、頭が上下せず、反っくり返り仰向けになるでも無く、足の蹴りだけで水を掴み引けるのでしょうか? 私は言えます、足だけで水を掴んで引けます!
其れは以下の写真が示します、ポイントは、整調ペアとして水掴みタイミングを揃え常に安定した水掴みストロークを続ける事で、後6人に整調ペアのリズムを身体で伝える事に有る。 揃う事が出来れば、後はコックスの号令に基づき、漕ぐだけ、その気構えを話しさせてもらいました!

キャッチについて
上記を実施すると、結果はこうなります。
再度、以下の写真をよく見て下さい。 特に  のオールに注目! 


ブレード幅が細くてもこの様なオールを曳き以下の様な泡を出すと、この様な大差を付けれる!

整調・7番のオールは、バウと2番の作った泡の後、どの場所に入るかを常に確認する 


  







上の写真のキャッチはほぼ完全に揃っている、そして見るべきは、整調のオールの入る位置!

充分に、 泡一個以上 空いている!

 

全員、腕を延ばしたまま、上体も反っくり返る事無くこの時代の足漕ぎを如実に示している。

上の写真のキャッチもほぼ完全に揃っている、そして殆ど全員、 この位置でも、腕は伸び、上体が起きていない、即ち、 足漕ぎをしめしていると言える。


ここで一言、漕手の、体格、足腰の柔らかさ、諸々の要因からオールの入る位置は同じでなくとも、キャッチとオールが撓(しな)るタイミングが揃う事が一番大切です。 そうすれば非力な漕手でも、艇速に寄与出来る!


この様にタイミングの揃ったキャッチが出来たオールのフィニッシュは、全員、キレイなオールの水切れが見れることになリ、艇のバランスも保てる!

このオールの入り方は水しぶきも大きく無く、深く入る時水飛沫はオール後方(進行方向)に上がり、泡も無く、しかも、既にオールは撓(しな)って理想的なキャッチとなっている!

左の写真のキャッチもほぼ揃っている、そして殆ど全員、 この位置でも、腕は伸び、上体が起きていない、注目すべきは、キャッチ時にオールの撓りが見れるオールが多く有る。。


次にキャッチの次に重要な、曳き終わり時、フィニッシュに付いてです。

上の説明は一般的なものですが、はっきり言えるのはキャッチの時が艇速が一番遅く、フィニッシュの時が一番早いと言う誰もが理解出来る内容です。

キャッチ時は、フィニッシュ最速時のほぼ半減、従って活用考慮すべき筋肉も異なって然るべきです。

従って、遅いキャッチ時に一番大きな筋力のある大腿筋を有効に活用し、最速時のフィニッシュには、スピードに付いて行ける様、腕と背筋により引き上げる事で、オールの後に空隙を持たせながら自らあげる事で低速を妨げず、抵抗無く水から抜ける。

 

左の写真はフィニッシュを上から見た典型例

S42〜S43佐野キャプテンの言

オール・ブレードの理想的な動き!

私の浅はかな知見を述べます。


①キャッチのときは、前向きも、後ろ向きもスプラッシュは極力少ないほうがよい。

スプラッシュはキャッチでの泡噛みの原因になり、進行方向へのスプラッシュならブレーキに、その逆方向ならオールの戻りになる。

→ その通り,しかし、ピタッと行かない場合,どちらかと云うと、進行方向への方がオール自体は水に深く入ると思うが〜!!


②キャッチしたオールに泡をかむとオールのスリップの原因になるので、漕ぐ力が艇に有効に伝わらない。オールに泡をかむと、大きな泡になって非常によく漕いでいるように見えるが、実際の漕ぐ力は思ったほどではない。 

 泡噛みか〜,案外皆気付いていないよね〜!

 今一つ,ブレードは水中で固定され動かない事、動けばスリップとなる事を認識しオール/ブレードの動きを観察する、これも、案外皆、気付いていないよね〜!


③オールが戻ると、漕ぐ力の中で最も強い脚の力が有効に使えなくなる。  

 そうなんです、それが勿体なくてな〜!!


④したがって、キャッチはスプラッシュを極力少なくして、泡をかまないように深い水をつかむのが大事。 

 そッ其の通りやが,写真の佐野さんのオールにも大きな水しぶきが出てるがな〜!

 でも進行方向ですね!


⑤キャッチしたときのグリップの高さが肩と同じ高さでは力が入らないはず。せいぜい乳の高さぐらいではないでしょうか。陸上で実験してみればすぐ分かるはず。

  反論無し! ですが、其のくらいの気持ちでって事で〜!


⑥キャッチするときはブレードは縦の動きから、横の動きに瞬間的に変わる。このときに腕の絞りによって水をつかむのです。 腕の手首と肘が乳ぐらいの高さで水平になっていないと水平なオールは引けないと思う。

  はいっ、その通りです,でも腕の力が佐野さんや福本さんみたいに強く無く、弱かったから、足で蹴って横の動きにする事に専念する(方法を考える)!

 

スポーツでは結果が全てです。

  分かってます〜!

正しい、合理的な漕法を、効率よく練習しなくては、他校に勝てるはずがありません。

  ハイ!

 

佐野 孝

このオールの入り方は水しぶきも大きく失敗したキャッチ例、オールは撓(しな)っていると言えない!


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